Written by ART Driven Tokyo発行人編集長 竹田さをり

Cut records, canvas, aluminium, wood, 228 x 174 cm | 89 3/4 x 68 1/2 inch
Courtesy of the artist and Perrotin
音楽だけが生み出すことのできる深い感情のふれあいの後に訪れる静けさ、あるいは、4月に咲く桜の舞い。(キュレーターAndreas Schlaegel)
ドイツの現代アーティスト、グレゴール・ヒルデブラントによる日本初個展「…それでも4月に桜は咲く」が、ペロタン東京(六本木)で開催中です。会場には、カセットテープやレコードといった音楽の記憶そのものを素材にした作品が並びます。

Compression-molded records, metal bar, marble, plinth, 171 x 31 x 31 cm | 67 5/16 x 12 3/16 x 12 3/16 inch
Courtesy of the artist and Perrotin

Leader tape, acrylic on canvas, wooden frame, 49.5 x 49.5 cm | 19 1/2 x 19 1/2 inch
Courtesy of the artist and Perrotin
ヒルデブラントは1974年生まれ。ベルリンを拠点に、カセットテープとレコードをコラージュし、組み立てて、一見ミニマルだが潜在的にロマンティックな絵画、彫刻、インスタレーションを制作しています。
本展のタイトル「…それでも4月に桜は咲く」は、ドイツのシンガーソングライターであるコンスタンティン・ヴェッカーが1980年代初頭に発表した、あまり知られていない歌の一節です。桜をモチーフにした鮮やかな赤の新作シリーズが注目。赤いリーダーテープで描かれた作品群が、まるで静かに奏でられるワルツのように、展示室に並びます。
鑑賞者は、音楽が始まる直前の静寂、記憶の手ざわり、そして目に見えない「つながり」を体感することになるでしょう。

Photo: Dale Grant

Photo by Osamu Sakamoto
Courtesy of the artist and Perrotin
展覧会会期: 2025年4月3日 – 6月21日
場所:ペロタン東京
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
日時:火曜日~土曜日、11:00~19:00
入場:無料