Written by ART Driven Tokyo

高知県立美術館で話題となりました
「えっ、あの美術館が贋作を買っちゃったの!?」——高知県立美術館が贋作をつかまされた、というニュースが飛び込んできました。ドイツ人画家ハインリヒ・カンペンドンクの1919年作として1800万円で購入した《少女と白鳥》は、専門家の鑑定により、贋作と判断されましたね。
美術館といえば、専門家がバッチリ本物かどうかを見極めてると思いがちですが、実はこれ、意外と“あるある”なんです。
欧米ではよくある。ゴッホ作品も!
例えば、みなさんが大好きなゴッホ! 昨年のARTnews JAPANの記事によると、「オランダのゴッホ美術館が、本物とされてきた3作を偽物と判断した」ということです。
「なんか、筆のタッチが違うよね」ということで、ゴッホ美術館のプロたちが、ゴッホの時代に使われていた絵具と違うことを突き止めたんです。(「現存するゴッホ作品のうち3点が偽物だった!ゴッホ美術館が調査で明らかに」https://artnewsjapan.com/article/2754)
まだまだあります、ニューヨークの老舗も、王子様も
そしてもっと衝撃的なのが、ニューヨークの老舗だったノードラー・ギャラリー事件。ロスコやポロックっぽい絵が出回って、裁判沙汰となりました。2011年に閉店に追い込まれたんです。
まだまだあります。16世紀の巨匠、ルーカス・クラナッハ(父)。彼の「ヴィーナス」は、リヒテンシュタインの王室のコレクションですが、贋作か真作かでスキャンダルとなりました。
美術のプロでも贋作を見抜くのは本当に難しいんですね。ましてや今は、贋作者たちもAIとか最新技術を駆使して、「誰も気づかないようなニセモノ」を作ってくるわけですからね。
贋作師もアーティスト?
高知県立美術館のケースも「まさかウチが…」って感じだと思いますが、こうした事例を見ると、美術館や専門家の苦労もよく分かりますよね。とはいえ、科学的調査をしなくては分からないほど、見た目では本物と思わせるなんて、贋作師の技量もすごいものですよね。私たちからすれば「これって本物?」って考えながら鑑賞するのも、アートの楽しみ方の一つかもしれません。
第2回は、プロをも騙す、贋作師の技(?)について。実は深い、贋作の世界について解説しています(下の記事)ので、チェックしてみてください!