Written by ART Driven Tokyo

東京都現代美術館で、「坂本龍一|音を視る 時を聴く」展が開催されています(2025年3月30日まで)。日本を代表する音楽家であり、世界的に評価されたアーティスト・坂本龍一(1952-2023)の大規模なインスタレーション作品を紹介する、国内初の個展です。
坂本さんの新作に逢える!見どころは?
音楽を超え、空間や映像と融合する坂本の作品世界を、未発表の新作を含むインスタレーションを通じて体感できる貴重な機会となります。
■みどころ
ART Driven Tokyo独自の視点で、本展を一層、楽しむためのポイントを5つ。観覧の参考になさってください。

坂本龍一 with 高谷史郎《IS YOUR TIME》2017/2024 ©2024 KAB Inc. 撮影:福永一夫
①坂本龍一+高谷史郎 見えないものの美しさ
坂本龍一+高谷史郎(メディアアーティスト)の協働作品は、見えないものの美しさを追求しています。東日本大震災で被災したピアノを用いた「IS YOUR TIME」など。時間の流れと記憶の儚さを音と映像で表現します。

坂本龍一+高谷史郎《LIFE–fluid, invisible, inaudible…》2007年 ©2024 KAB Inc. 撮影:浅野豪
②異世界のための音楽「async」━没入型インスタレーション
坂本が2017年に発表したアルバム「async」は、映画音楽やポップスとは一線を画し、「異世界のための音楽」をテーマとした実験的な作品でした。この世界観を立体的に体験できる「async–volume」「async–immersion tokyo」が展示され、音が空間の中でどのように響き、変化していくのかを体感できます。

坂本龍一+高谷史郎《async–immersion tokyo》2024年 ©2024 KAB Inc. 撮影:浅野豪

坂本龍一+Zakkubalan《async–volume》2017 ©2024 KAB Inc. 撮影:浅野豪

坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン《async–first light》2017
アピチャッポン・ウィーラセタクン《Durmiente》2021
③世界的アーティストとのコラボレーション
坂本は生涯を通じて、さまざまなアーティストとコラボレーションを行ってきました。カールステン・ニコライ(音楽家・ヴィジュアルアーティスト)、真鍋大度(プログラマー・アーティスト)など、国内外の著名アーティストとの協働作品が並んでいます。

坂本龍一+真鍋大度《センシング・ストリームズ 2024–不可視、不可聴 (MOT version)》2024
©2024 KAB Inc. 撮影:浅野豪
④新しい音楽体験━屋外での体験型作品
美術館の屋外スペースも活用します。霧や光、音が一体となるインスタレーションは、時間と空間を超えた体験をもたらします。

坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎《LIFE−WELL TOKYO》霧の彫刻 #47662
©2024 KAB Inc. 撮影:浅野豪
⑤未来へ続く 坂本龍一の芸術世界
坂本は、音楽家としてだけでなく、環境や社会問題にも深い関心を寄せ、芸術を通じて世界にメッセージを発信してきました。彼の創作の軌跡を振り返ると同時に、未来へと続く新たな表現の可能性を探っています。音楽と視覚芸術、テクノロジーと自然の融合。
■展覧会概要

会期:2024年12月21日~2025年3月30日
会場:東京都現代美術館
オンラインチケット:https://www.e-tix.jp/mot/
公式サイト:https://www.mot-art-museum.jp
坂本龍一が生み出した「音と時間」の芸術世界を体感できる貴重な機会を、ぜひお見逃しなく!