小澤香奈子 個展「Small Livings in Our Daily Life」—— 存在の詩学

Written by ART Driven Tokyo 発行人編集長 竹田さをり

ロンドンのドロシーサーカスギャラリーで、小澤香奈子の個展「Small livings in our daily life」が開かれる。2025年4月4日から30日まで。

見どころ

“The timing to release the cloud”

“Form -Determination- No.2”

雲の形成。 解放の瞬間。形は集まり、ほどけていく。

時間は流れ、雲は消えるのか。 その消滅に、 存在の時間を見る。

決まりかけた形。 けれど、まだ揺らぐ。

「決定」とは何か。 形が定まる。 そこに意志が生まれる。

確かにあるもの。 しかし、不確かでもあるもの。

見えないもの。 それでも、たしかに「在る」。 触れられない境界。

詩のような展覧会である。 小澤香奈子の世界に、 その余白に、耳を澄ませてほしい。

本展は、日本のアニミズム的思考を根底に持ちながら、ミニマリズムと具象の狭間を探る試みである。

記憶をすくい上げ、物質へと変換する。 そこにいるはずのない気配を感じる。静かな仲間。

小澤は1988年生まれ。 東京工芸大学でメディアアートを学ぶ。 平面と立体を往還する表現で、独特の世界観を提示してきた。