画家・南谷理加の絵柄は優れてユニークでダイナミック、表情豊かなのに、じっと見ていると、寂寥感にも似た静かな気持ちになるのは、なぜなのだろうか。
庭師のように空間も彫刻する-大黒貴之個展「GARDEN」に見る「揺らぎ」の哲学
名だたる骨董商も価値を認める彫刻家、大黒貴之の個展が赤坂のMARUEIDO JAPANで開かれている。その魅力は「空間も彫刻する」ような独特の世界観にある。
タイムラインに惑わされるな!電子音楽とデジタルアートの祭典 MUTEK. JP2023が12月7日から東京・渋谷で
人間が生み出すコンテンツの力を打ち出し、電子音楽とデジタルアートを融合させたフェスティバルMUTEK. JPが12月、渋谷で行われる。今年もMUTEKでしか経験できない実験的なパフォーマンスが目白押しだ。
誰もいない森の中での孤独、恐れ、驚き、そして至福の体験-俳優・アーティスト、ジョセフ・リーの新境地
韓国系米国人俳優/アーティストのジョセフ・リーの個展が、東京・渋谷のディーゼル・アート・ギャラリーで開催された(会期終了)。コロナ禍で、自然の偉大さを認識し、バイロンの詩によせて、リーならではの力強い筆致で森を描いた。
混沌を、水玉でオーガナイズする-nomocoのインクによる癒しと挑戦
混沌を水玉で整理するーインクならではの透明感と色使いの巧さで知られるnomocoの個展は、偶然からの発見と、絵の中に飛び込むようなトランス感。絵の中に住む誰かのメッセージに癒された。
誕生と破壊、右往左往する現代人-山田周平「目玉焼き」展 揺れる目玉に感じる「微妙なずれ」と「疑い」
揺れる巨大な目玉たちが、現代人の右往左往ぶりを表現する。コンセプチュアルだけど楽しい山田周平の「目玉焼き」展が、天王洲の寺田アートコンプレックスで開催中。「目玉は卵を妬み、卵は目玉に憧れている」。ヒッチコックの映画「白い恐怖」にインスパイアされた。
これは現実なのかアートなのか?「視界の欠如」がテーマ、チャールズ・コーハンの精緻な版画展
コロナ禍の真っただ中に東京・西麻布に誕生し、いま注目のギャラリー・イーサ。アメリカ人アーティストがディレクターだ。ハワイ在住の世界的版画家チャールズ・コーハンの「SNOWBLIND」展は、作家自身の網膜損傷の経験から、「視覚の欠如」をテーマにしたユニークな内容だ。
ギャラリー・イーサは、”何ものにも縛られない “というビジョンを持ち、フラットな感覚を尊重している。
連載②「価値ある現代アートについて考える」 「アートは文化交流。ビジネスになりにくい?」
「アートは文化交流であって、ビジネスになりにくいのでは?」。読者からの質問に答えるシリーズ。アートは公的なもの、という日本社会に残る認識と、アーティストの厳しい現状を取り上げ、支援の重要性を訴える。
彫刻のような写真、欧米で大人気の写真家・グィド・アルジェンティーニ「フィレンツェのささやき」展
いま、LAや欧米で大人気の写真家グィド・アルジェンティーニの個展が上野のおしゃれなギャラリーで開かれている。彫刻のような女性美を追求してきた彼の全容がわかる。
ギャラリー文化の発信基地CADANの挑戦は続く 小山登美夫セレクション “MEMORIES 02”展
「美術史のなかにアーティストを着地させたい」という悲願を持った美術商の非営利団体CADAN。有楽町ビルの建て替えで活動に区切りを打つが、今後も日本現代美術の発展に貢献する。終盤のショーのひとつは、トップギャラリスト小山登美夫のセレクションだ。